インド

1 章 序章 

    • Latest News & Updates

      【GST最新情報】
      2017年5月15日に開催されたGST Council Meetingでは、西ベンガル州を除く全ての州において、7月1日付けでGSTの導入が合意されました。これによって、最終のガイドラインが発表されておりますが、申告書のフォーマットについては、物品税関税中央局(Central Board of Excise and Customs)のオンラインサイトにてご確認頂けます。
      また、シュリナガール市で5月18日に開催されたCouncil Meetingでは、GST対象項目を98カテゴリーへ分類分けした上で、全部で1211の物品に係る税率が発表されました。
      大部分については、18%の税率が適用される事になりますが、それぞれの物品や種類によって、異なる税率が適用されますので、こちらを確認して頂ければと思います。
       
      [概要]
      統一対象となる間接税は、相殺関税、特別追加関税、物品税、サービス税、中央販売税、州付加価値税、越境税、娯楽税、贅沢税などがあげられますが、導入以後はこれらの間接税がGSTに一本化されます。
      また、企業側のコスト面については、全体的に税負担が軽減されると考えられます。最も大きなインパクトとしては、基本関税を除く二つの関税(相殺関税、特別追加関税)と、州をまたいで物品を購入する際に発生する中央販売税があげられます。
      これまで、製造業者以外の企業(ファーストステージディーラーを除く。)の場合、相殺関税や特別追加関税については、仕入税額控除が認められず、商社は多額の関税負担を強いられておりました。さらに、州をまたいで物品を購入した場合は、仕入れ税額控除が認められない中央販売税という税金が課され、企業にとってのコストとなっておりました。
       
      [企業へのメリット]
      GSTが導入された以後は、これまで相殺控除が認められていなかった上記の税金についても、GSTに一本化されることによって、仮受GSTから相殺控除が可能となります。これによって、企業にとっての仕入れコストが低下し、最終的にエンドユーザーが税金を負担する仕組みが確立されます。 
       
      [インドに進出する日系企業の課題と今後の留意点]
      一方、実務面では、各拠点が所在する州ごとに申告を月3回、年間37回行う必要がありますので、複数拠点を有する企業にとっては、毎月の申告業務が今後の課題となります。
      これまでは、州をまたぐ在庫の移動は、間接税の対象とされていなかったものが、7月以降はIGSTとして課税される事になります。IGSTは、仕入れ税額控除が可能な税金ですので、企業にとっての追加のコストにならないとはいえ、一時的に支出が伴う事となるため、キャッシュマネジメントについても十分に考える必要があります。
      また、インボイスの変更についても、留意する必要があります。物品の販売、もしくはサービスの提供によって発行方法など異なりますので、以下ご確認下さい。
       
       《物品の販売の場合》
      ・ 物品の供給のタイミングで発行
      ・3枚綴りにて発行(当方控え、運送会社用、先方控え用)
      HSN(Harmonized System Nomenclature)コードを記載する必要あり
      ・供給先の住所を記載する必要あり
      ・インボイスの番号は英数字にて16桁以下 
       
      《サービスの提供の場合》
      ・インボイスは、サービス完了から30日以内に発行
      SAC (Service Accounting Code)を記載する必要あり
    • 2014年度予算案の概要

      ■2014年度予算案の概要
      2014年7月10日にインド政府は、モディ氏による新政権となって初めてとなる2014年度の連邦政府予算案を発表しました。インフラ投資、産業育成による経済成長と財政健全化を目指し推進する方針の内容となりました。インフラ投資において、「ダイヤモンド4角形プロジェクト」という産業地帯に高速鉄道を建設する計画をしています。同年度は10億ルピー(約17億円)の投資を行い、100都市に対して現代的な都市開発の為、706億ルピー(約1,193億円)の投資を行うとしています。また、16の港に対して港湾建設プロジェクトを2014年度中に承認をしました。その他にも、15,000Kmのガスパイプラインの敷設、食料流通の為の倉庫建設に500億ルピー(約845億円)の投資を行うことを発表しました。こういった投資を行い、16年以降には7~8%以上の経済成長率実現を目指しています。また、2014年度の財政赤字を対国内総生産(GDP)比4.1%の赤字見込みとし、2016年度に3%まで引き下げる方針としました。インフラ整備も含む上記のような計画に対して5兆7,500億ルピー(約9.7兆円)を支出する見込みとされています。これは、前年度比27%増の金額となります。また、以前より注目されている物品サービス税(GST)法案についても早期導入に向けて年内にも可決される見通しとなり、今後インド市場に投資を考えている企業や投資家にとって期待できる内容となっています。
    • 2015年度予算案の概要

       ■2015年度予算案の概要
      インフラについては、インドを世界の工場へとする試み(Make in India Programmes Programs)が推奨されなされ、インフラ設備に7,000億ルピーを追加拠出し、そのうち、1,400億ルピーを道路建設、 1,000億ルピーを鉄道建設に費やす予定です。インド全土で総延長10万kmの道路を新設するだけでなく、電力不足解消に向け、 5つの巨大発電所(各4,000MW)も建設します。また、インフラファンド(NIIF)を設立し、年間2,000億ルピーを投資します。
      それに伴い生活環境面では、都市2,000万戸及び地方4,000万戸の電力・水道・道路舗装された住居の整備を行うとともに、2020年までに2万の農村部に電力供給、17.8万の集落を結ぶ道路建設、各都市及び集落に対して医療サービスの提供、全ての子供に5km 以内で通えるSenior Secondary Schoolの保障をすることを決定しています。
    • 直接税の変更点

      ■個人所得税(Income Tax Rate for Individuals)
      2014年度の予算案では、60歳未満のインド居住者の個人所得税の課税最低所得額が2012年度20万ルピーから25万ルピーへと5万ルピー引き上げられました。実効税率は、基本税率に3%の教育目的税が加算して計算される点は、2011年度から変更はありません。
      2014年度の予算案を踏まえた個人所得税の実効税率は下記のようになります。
       
       
       
      なお、60歳から80歳までのインド居住者である高齢者の非課税額が30万ルピーに引き上げられました。また80歳以上のインド居住者は50万ルピーまで非課税となります。2012年度予算案より所得を得ない高齢者はAdvance Payment (予定納付)を行う必要はありません。
      また、2013年度の予算案では、個人所得税における高所得者に対して追加サーチャージされることになりました。累進課税率の変更はありませんが、1,000万ルピーを超過する場合、追加でサーチャージ10%徴収することになりました。サーチャージとは、税金にかかる税金(Tax on Tax)のことを言います。駐在員の所得税計算では所得税を会社負担されている企業が多いです。その為、所得税計算のグロスアップ計算を行った場合、課税所得税額が1,000万ルピーを超えるケースが多いです。
      年収1200万ルピーの60歳未満の男性従業員を例に個人所得税を計算すると下記のようになります。
       
        2013年度
       課税最低所得額が20万ルピーから25万ルピーに引き上げられたことから5,665ルピーの減税効果となっています。
       
      ■法人所得税(Income Tax for Domestic and Foreign company)  
      2014年度の予算案では、法人所得税の税率には、変更はありませんでした。 なお、教育目的税3%(Education Cess2%+Secondary & Higher Education Cess1%)は従来通りのままです。 2014年度の予算案を踏まえた法人所得税の実効税率は下記のようになります。 
       
      2014年度 法人税税率(変更なし)
      ■最低代替税(MATMinimum Alternate Tax)
      2012年度の予算案において、最低代替税率が18%から18.5%に引き上げられました。 インド所得税法に従って計算した法人所得税が、会社法の規定により作成した損益計算書の当期利益(Book Profit)の18.5%を下回る場合、その当期利益の18.5%を最低代替税として納付するというものです。また、これまでは対象外であったSEZ開発業者やSEZ内企業に対しても、2012年の予算では最低代替税が適用されることになりました。
      なお、支払った最低代替税は、将来発生する法人所得税と相殺することができますが、その繰越控除期間は従来通り10年で変更はありません。また、1億ルピーまでは課徴金(10%)と教育目的税(3%)が課せられます。1億ルピー以上は教育目的税(3%)のみ課せられます。また、2014年度では最低代替税の変更はありません。
      2014年度の予算案を踏まえた最低代替税率の実効税率は下記のようになります。
       
       
      ※1 20.9605%(18.5%+課徴金10%+教育目的税3%)
      ※2 20.0077%(18.5%+課徴金5%+教育目的税3%)
      ※3 19.055%(18.5%+教育目的税3%)
      ※4 20.0077%(18.5%+課徴金5%+教育目的税3%)
      ※5 19.4361%(18.5%+課徴金2%+教育目的税3%)
      ※6 19.055%(18.5%+教育目的税3%)
       
       ※1 16.995%=15%×1.03(教育目的税3%)×1.10(加算税10%)
       
      ■配当分配税
      インドでは、配当分配税(DDTDividend Distribution Tax)という制度があり、インド内国法人からの支払われた配当金課税について配当金支払法人に対しては配当分配税が課せられます。2014年の予算案では、配当分配税(DDTDividend Distribution Tax)の税率は15%から変更はありませんでした。ただし、2014年10月1日より配当分配税の計算方法がグロスアップ計算に変更されることになりました。  
      2014年度の予算案を踏まえた配当分配税の実効税率は下記のようになります。
       
      2014年度 配当分配税率 (グロスアップ計算)
      配当分配税率の計算方法
       ※1 100 ÷ (100% - 5%) = 117.64 (グロスアップ後の配当金課税額) 117.64 × 16.995% = 19.993  配当金課税額がグロスアップ後の金額となる為、納税額が増加します。
       
      配当金課税額がグロスアップ後の金額となる為、納税額が増加します。
       
      ■源泉税(TDS
      2014年度の予算案では源泉税(Tax Deducted at Source、以下「TDS」という)の取り扱いが改正されました。1)「不履行納税者」とみなされることの期限変更 納税義務者がTDSの控除や納税を誤った為に「不履行納税者」とみなされることの期限が変更となりました。改正前は、TDSの申告を行った納税者はTDSの申告した年度末から2年。TDSの申告を行っていない納税者は支払・クレジットが行われた年度末から6年が期限でした。しかし、改正後は両者ともに支払・クレジットが行われた年度末から7年の期限となりました。通常の税務調査の期限の7年と一貫性を図られることとなりました。 2)源泉税未納額に対する損金算入否認 2014年10月1日より、個人所得税に関する源泉を行わなかった場合、または費用支払に掛かるTDSの納税を行わなかった場合、損金不算入額は30%までとなりました。改正前は全額が損金不算入とされていました。 3)損金算入否認規定の範囲拡大
       損金算入否認規定の範囲が拡大され、給与及び役員報酬も含めて源泉税の目的となる全所得が対象となりました。また、非居住者に対する支払について、申告期限前に源泉税の徴収及び納税を行った場合、当該支払について損金算入が可能となりました。
       
       ■税務手続き上の規定
      2014年度予算案により、税務手続き上の規定で強制調査権、情報請求権、故意による文書書類等の提出懈怠、仮差押、情報文書の備置義務の規定が整備されました。
       
      1)  強制調査権
      2014年10月1日以降、コンプライアンス遵守の為に源泉税及び源泉徴収に関する税務当局よる調査権限が拡大されました。今後、各企業への税務調査通知が当局より届く可能性が高くなると思われます。
       
       2)  情報請求権
      2014年10月1日以降、税務当局に対して幅広い情報請求権が与えられることになりました。有用であり調査に関連すると判断された関係者から情報の信憑性を検証する為に情報及び文書調査を行うことが可能となりました。税務調査が入った場合、企業から提出した書類に対して税務当局が納得いかない場合、別途他の関係者から情報収集を行うことができます。
       
       3)  故意による文書書類等の提出懈怠
      故意により文書の提出を懈怠した場合、罰則対象となり、禁固1年又は罰金となります。
       
       4)  仮差押
      税務申告・納税義務を怠った場合、提出期限より6か月経過後から税務当局によって仮差押が可能になります。2014年10月1日より2年間、又は調査・特別調査終了後60日のいずれか遅い期間まで当局関連部門の審議を経てから延長される予定です。
       
       5)  情報文書の備置義務の規定
      別途規定される金融機関について、税務当局より調査対象取引に関する情報及び文書を指定された場合、提出義務があります。備置された情報及び文書が不正確な場合、当該機関に対して5万ルピーの罰金が科せられることになりました。
       
       CSR活動費用
      2013年新会社法の規定により、CSRCorporate Social Responsibility)活動に関する支出費用は主たる事業の目的として支出されたとはみなされず、所得税法の規定でもこれらの費用は損金不算入となりました。ただし、CSR活動に関する支出のうち、所得税法上も損金算入と認められている(人件費など)費用は、今後別途規定される条件を満たす限り、損金算入が可能となります。
       
       ■特定の納税免除者に対する税務申告
      以下の特定の納税免除者に対して、総所得金額が非課税限度額を超えた場合、所得税申告を行う必要があります。
        
      >投資信託  
      >証券信託  
      >ベンチャーキャピタル会社  
      >ベンチャーキャピタルファンド
        
      また、投資信託と証券信託は、収益の分配を行う前に所得税の申告・納税を行う必要があります。ベンチャーキャピタル会社とベンチャーキャピタルファンドは、Form64を用いて税務申告を行う必要があります。
       
       ■税額計算及び開示に関する基準 
      中央政府は様々な納税者に対して適用される税額計算及び開示に関する基準を通達してきましたが、2014年度の予算案において、Section154(2)に基づいて通達されている会計基準に従い所得税計算を行っていない場合は、Section144に基づく判断により、懲役2年または罰金の処置を取られる可能性があります。また、Section154(2)に基づいて通達されている会計基準は、帳簿を保持する為の意味ではないことが名言されています。この背景には、多くの韓国企業の駐在員が個人所得税計算の処理を不正に行っていたことがあると思われ、その為外国人に対しての個人所得税計算がより厳格となっています。
       
      ■不動産・インフラ投資信託に対しての特別税制導入 
      2014年度予算案において、2014年4月1日より業務を開始した、鉄鉱石の輸送の為のスラリーパイプラインの敷設及び運営、半導体ウエハ製造産業に対してSection35ADに基づく投資関連控除は拡大されました。控除対象となった設備は特定の事業の為に8年間使用されることが義務化されました。また、控除した請求を発行した後、この条件が満たされなくなる場合には、既に行われた控除額からその時点での減価償却費相当を控除した金額について、事業所得としてみなされ課税対象となります。
       Section35ADに基づいて便益を享受した場合には、Section10AAに基づくタックスホリデーの権利はありません。Section35ADに基づく投資関連控除はAMT(代替最低税)の計算の為の税額調整の計算において加算されます。しかし、税額調整の計算に関してSection32に基づく減価償却費は減算されます。
       
      ■税制優遇措置、免税及び控除
      2014年度予算案において、新しい設備に対する投資額の条件が10億ルピーから2億5千万ルピーに引き下げられ、当該設備の投資総額が2億5千万ルピーを超える場合に、その取得額の15%を追加所得控除できることになりました。対象となる設備投資は2014年4月1日から2017年3月31日に取得され、導入されたものが対象となります。また、当該設備が5年以内に売却または譲渡される場合、追加控除は売却または譲渡された年度における事業収入として課税されます。しかし、合弁やディマージャーの場合を除きます。 その他に、外国通貨によって非居住者に対して支払われた借入利息について適用できる源泉所得税の軽減税率5%の適用期間が、2017年6月30日まで延長されました。(尚、インド国内法による一般税率は20%、日印租税条約による軽減税率は10%です。)また、この軽減税率5%は、インフラ債権を含むすべての非居住者に対する長期債権の利息に適用されます。当該税制優遇措置は2014年10月1日より有効とされています。 Section2(14)において、インド企業が特定の外国企業から配当を受領する場合における15%の軽減税率の期限はなくなりました。FII/FPIによって保有されている証券は固定資産としてみなされ、当該証券の譲渡から得られ収入やキャピタルゲインの性質をもちます。当該変更は2014年度から適用されます。
       
      ■間接譲渡及び一般的租税回避防止規定(GAAR)とその他
      新政権モディ氏が発足してから初となる予算でしたが、まだまだ不明瞭さが残る事案もあります。間接譲渡について、2012年度財政法案では、オフシェア取引を把握する為にソースルールの範囲拡大を目的として改定が行われ、遡及適用の実施についても導入されました。ソースルールの範囲拡大と遡及適用の実施は、投資マインドに悪影響を及ぼしていましたが、法律上の変更点はないものの、投資家の要請に応える為に財務大臣から今後の事案については手続きの実施を行う前に高官級の委員会にて審議を参照するようにと言及が行われました。ただし、現在進行中の事案の帰結については、依然不明瞭さが残ります。
    • 間接税の変更点

      関税(Custom Duty)
      基本関税率(BCDBasic custom duty)について変更点はなく、2012年度同様、基本関税の最高税率は10%のままとなり、相殺関税と特別追加関税の税率も据え置きとなりまし。実行税率は今まで通り、28.85%となります。
       
       <変更点>
      1、手荷物許容額は3万5千ルピーから4万5千ルピーに引き上げ。
      2、国内製造業の促進を目的として、輸入関税が売上物品税額より上回っている仕組みを合理化し、以下の業界は恩恵を受ける。
        → 鉄鋼、繊維、再生可能エネルギー、食品加工、包装、石油、IT及び電機
      3、プロパンガス、エタン、エチレン・プロピレン等について基本関税の税率が5%から2.5%まで引き下げられた。また相殺関税は2%となった。
      4、太陽光発電に使用される一定の部品については、基本関税が免除される。
      5、太陽光発電プロジェクトの立ち上げに必要とされる製造機会については基本関税が5%、相殺関税が0%とされる。
      6、19インチ以下のLCD/LEDパネルや一定のパネル部品については基本関税が免除される。
      7、PC製造の為の部品、風力発電事業の為の部品や原料について、一定の条件をクリアすれば特別追加関税が免除される。
      8、輸出志向型企業(EOU)が投入財や材料を輸入し、国内関税エリア(DTA)向けに出荷する場合、通常の関税の他にセーフガード関税も課せられる。
      9、事前に将来の取引について税務上の取り扱いを確認することができるAAR(事前確認当局:Authority for Advance Ruling)についてインド国内の居住者・非公開会社も2014年7月11日より利用可能となった。
      10、ボーキサイトの輸出関税が10%から20%へ増加。
      11、インフラプロジェクトの為の機械などの輸入品を減価償却後に帳簿価格で処分することが輸入者のみ認められていたが今後は他のコンソーシアムメンバーも処分できるようになった。
       
      2014度予算における関税の税率

       
      ■物品税(Excise Duty  
       2014年度の予算案において、物品税の税率について前年度より変更はありません。実行税率は12.36%となります。
       
        <変更点>
      1、国内製造業の促進を目的として、鉄鉱、食品加工、包装、製靴、電機、風力発電等は2014年7月11日より物品税が引き下げられた。
      2、ある会社の判決後の懸念事項への対処として、物品税評価規則が改正された。主な内容として、製造業へ直接的または間接的な追加対価の流入がないのであれば、モノの販売価格(たとえ原価割れでも)が取引価格で、課税基準となるという規定が挙げられる。これは2014年7月11日より施行されている。
      3、物品税の納付遅延について、今までは未納の物品税を遅延利息とともに納付するまで個々の貨物を出荷する度に物品税を納付。今後は、1か月を超えると毎月1%のペナルティが課せられる。遅延利息と合わせて納付する必要がある。2014年10月1日より適用。
      4、国際競争入札(ICB)で元請負業者が製品を製造するのは免税とされていたが、下請負業者が製造し、元請負業者へ供給する場合の課税関係の争いがあった。、これも免税として明確にされた。
      5、あらかじめ決められた税額の一定額のデポジットかペナルティまたはその両方を納付すれば別途残額についての猶予申請は不要となった。これまでは上告の際、デポジット納付不要だった。 最初の段階(Comm (A) or Tribunal )への上告は7.5%、次の段階(Tribnal )への上告は10%、1億ルピーのデポジットを上限として、財政法案成立以降適用。
       
       2014度予算における物品税の主な変更点

       
      ■サービス税   
      2014年度の予算案において、税率の変更はなく実効税率は12.36%と据え置きとなりました。  下記の項目がネガティブリストより削除されます。施行日は大統領の承認日です。
       
      >印刷媒体以外の広告スペースの販売は課税対象
      >無線タクシーは減額率60%で課税対象
       
      以下の項目は免除対象より削除となります。施行日は即日です。
       
      >臨床試験
      >空調月車両の旅客輸送機
      >教育機関 ・教室等の不動産使用料を教育機関が受領する場合、教育機関の特定のサービスにのみ免税。
       
       以下の項目は免除対象より拡大されます。施行日は2014年7月11日です。
       
      >インドの旅行会社がインド国外のツアーに参加する外国旅行者へのサービス
       
       以下、その他の主要な改正です。施行日は大統領の承認日です。
       
      >裁決までの時間制限規定
      >ペナルティ免除は、通常の制限期間内の事案のみに限定
      >残額の猶予申請の不要。ただし、上告するには7.5%~10%のデポジットを納付する必要がある。
      >モノの輸入を行い、改良やエンジニアリングを行う場合、モノとサービスの「提供地」条件が実績ベースに変更されました。提供地がインドであれば課税対象となります。
      >モノの仲介業務を行う場合、その仲介サービスを行う場所がモノとサービスの「提供地」となり、インドであれば課税対象となる。
      >6か月遅延する場合、遅延利息率の著しい増加(24%~30%)
      >船舶によるモノの輸送の課税対象分が50%から40%に削減されました。つまり、実効税率は4.944%(12.36%×40%)
      >モノとサービスの混合契約について、混合税率を使用する場合、請負工事のサービス部分の価格の査定に関して、30%の減額率に統一し、サービス部分は70%(以前は、「他の請負工事」は60%、「修理、メンテナンス、物品のサービス」は70%だった。
      >国内のリバースチャージ規定は、次のサービスの場合即日施行。
      >取締役の法人に対するサービス
      >銀行、金融機関、NBFCへの回収支援サービス
       
      ■CENVATクレジット  
      2014年度の予算案において、投入財や投入サービスのクレジット(仕入税額控除)、いわゆるCENVATクレジットの記載に有効期限が設けられました。6か月以内となり、もしクレジットの記載をしていなければ、クレジットの権利は失効します。  また、リバースチャージの場合、請求価格の支払いがあったかを問わず、サービス税支払時にただしにクレジットできます(今までサービスの対価を支払った時のみクレジットが可能でした。)。 今後、大規模納税企業は企業内でのクレジットの付け替えはできなくなります。

    • Goods and Service Taxについて

      ■Goods and Service Taxについて
      2014年度の予算案において、物品・サービス税(GST:Goods & Service Tax)の導入予定を年内には導入方法について結論を可決すると発表されました。
      物品・サービス税(GST:Goods & Service Tax)とは、インドの複雑な間接税の簡素化を目的とされており、物品税、サービス税、州VATと中央販売税等の間接税を統一することを目指しています。現地点で具体的な導入時期や税率等については発表されていませんが、年内には導入に向けての何かしらの表明がされるのではないかと期待されています。ただ、懸念事項として、各州における徴税権の引き渡しや保証、法整備といったものがあり、これらの懸念事項がクリアにならなければ導入は先延ばしになる可能性はあります。今後の動向について注目されています。
    • 移転価格税制の主要な変更点について

      ■事前確認制度(APA)の遡及適用
      2012年度予算案で、関連会社間の取引価格算定方法について、インド税務当局から事前に合意を得る事前確認制度(APAAdvance Pricing Arrangement)が導入されました。この事前確認制度は、5年間または事前確認制度に記される期間が有効となり、適用開始は2012年7月1日となっていました。今回移転価格税制に関する訴訟の長期化を改善する目的として2014年度予算案では、APAを開始した事業年度前の事業年度過去4年間を遡って適用することが可能です。遡及適用の要件や手続き及び具体的な適用の内容については後日発表されることになっていますが、2014年10月1日より遡及適用が可能となります。
      加えて、2012年度からインド国において事前確認制度を開始してからの初事例は、2014年12月での三井物産のインド子会社とインド三井物産との取引に対する承認があります。両社間において移転価格の課税を避けるためにインドと日本の税務当局により当取引が妥当であると事前確認制度(APA)の適用を受けています。
       
      ■独立企業間価格(ALP)の算定レンジ概念の導入
      インド所得税法上、実際の国際間取引と独立企業価格(ALPArm’s Length Price)の算定にあたっては、複数の算出値の平均がALPとして取扱われることになります。(算術平均)また、2012年度予算案で、実際の国際間取引と独立企業価格の差異が「±5%」以内に収まっていれば、当該取引価格は妥当であるとされていましたが、差異の範囲が「±3%」へと変更になりました。2014年度予算案では、国際的な概念から適切な価格を算出することを目的にレンジ概念の導入を表明しました。また、比較対象会社の数が不十分な場合は算術平均を採用するように言及しています。今後、どのような具体的な規定が発表されるのか注意をする必要があります。
       
      ■みなし国際取引の定義の変更
      みなし国際取引において、企業または関連企業のいずれかまたは両方が非居住者の場合、非居住者に関わらず、インド居住者間の取引においてもみなし国際取引の適用範囲となりました。2015年4月1日より適用されています。
       
      ■複数年度のデータ使用
      インド移転価格税制の規制では、国外関連取引と独立企業間取引の比較・分析に使用された情報は国外関連取引が行われた課税年度が適用されていました。しかし、課税年度前の2年以内の情報であれば、この情報が対象とされている国外関連取引に影響がある場合、有効な情報として使用することが可能となるよう複数年度のデータを使用できるように提案をしています。
       
      ■移転価格税務担当官(TPO)へのペナルティ賦課権限の付与
      現在、インド移転価格税制の規定では、移転価格ドキュメンテーションの作成の義務があり、作成を怠った場合は査定担当官又は下級審判当局が国外関連取引額に対して最大で2%のペナルティを課せることができる権限がありますが、その権限を移転価格担当官(TPO)にも権限を与える提案がされました。現在、移転価格税務担当官(Transfer Pricing Officer )は企業に対して証拠や関連書類の開示、尋問などの権限を有しています。この改正には2014年10月1日より発行が提案されています。 2015年度予算案では、国内取引における移転価格規制の対象基準は5千万ルピーから2億ルピーへと引き上げられました。